私のブリーダーとしての理念

初めまして、キヨミです。アメショー、ベンガル、スコティッシュを専門に30年、キャットブリーダーをしています。ここでは、私がなぜブリーダーを志し、今に至るのかをストーリー形式で語りました。

私がブリーダーになったきっかけ

私が最初に飼った猫は、18歳のときに新宿伊勢丹のペットショップで出会った“ひいちゃん”でした。もともとは「どんな猫でもいいから飼いたい」と思って外で野良猫を探していたのですが、素早くて捕まえることができず、ペットショップを覗いてみたんです。

そこで一目惚れしたのがアメリカンショートヘアのひいちゃんでした。当時はまだ珍しい柄で、模様もかっこよくて本当に可愛かったんですね。値段は28万円ほどと、18歳の私には高価でしたが、迷わず家までお金を取りに帰り、その場で迎え入れました。

ひいちゃんが寝転んでる姿
ひいちゃんが寝転んでる姿

ひいちゃんを飼い始めてしばらくすると、「いつかひいちゃんがいなくなってしまうかもしれない」という不安が頭をよぎるようになりました。血縁関係のある子を探そうとしたのですが、ブリーダーさんも登録をやめてしまっていて見つからず、去勢もしていたので血を繋ぐこともできない。そう思ったときに「同じような思いをする人がいるかもしれない」と感じ、それがきっかけでブリーダーを志すようになりました。

猫が好きな理由

子どもの頃、犬は「噛むかも」という怖さがありましたが、猫は吠えることがほとんどなく、なんとなく自分にとってハードルが低かったんです。もちろん猫も引っかいたり噛んだりはしますが、「吠える声が怖い」という心配がないだけでも大きかったですね。

そうして実際に猫を飼ってみると、猫は人になつかないとか、家に懐くだけだとか言われがちですが、そんなことはなく、ちゃんと人に懐きます。放っておけばやっぱり寂しがりますし、一匹一匹性格も違うんです。そういう“本当の猫の姿”に少しずつ魅了されていきました。

ヨーグルトカップに顔が挟まったひいちゃん笑

ブリーダーとして大切にしている想い

私は失敗を経て、ブリーダーになりました。もともと知識がなかったために、食事の与え方などで猫を病気にさせてしまったこともあります。例えば「カリカリだけ与えていれば大丈夫」というCMを真に受けて、その結果、尿結石を患わせてしまったり……。そのときに、週に数回はウェットフードも必要だと知って「知らなかった!」と後悔したんです。

そうした実体験から、「自分と同じ失敗を一人でも減らしたい」「猫の命を守るための情報をもっと広めたい」と思うようになりました。ブリーダーになってからは、自分のところから譲った猫ちゃんの飼い主さんとLINEを交換し、わからないことがあればいつでも相談に乗るようにしています。お迎えしてから先、猫ちゃんが一生を終えるまで、飼い主さんと一緒に育てていきたいという気持ちが強いんです。

情報発信への取り組み

私が情報を発信するのは、インターネット上でも得られないリアルな知識や経験を共有したいからです。

  • 失敗談の共有
    「こうしていれば助かった」「こうしていれば病気を防げた」という経験を発信することで、誰かの猫ちゃんの命を救えるかもしれないし、飼い主さんに安心してもらえるかもしれないと思っています。

  • 正しいケア方法
    爪切りの仕方やグルーミング方法など、動画を交えて具体的に伝えています。私は本業でネイリストをしているので、爪に関しては試行錯誤を重ね、多くの道具を使い比べてきました。その中で「これが最適」というものを紹介したり、実演したりすることで、猫ちゃんにもストレスが少なく、飼い主さんもケアしやすい方法を提案しています。
TikTokで猫ちゃんのケア方法を積極的に発信

発信活動を通じて伝えたいこと

情報発信を通じて増えたご縁がたくさんあります。飼い主さん同士、またはブリーダーさん同士での情報交換もできるようになりました。猫を好きな人が増えるのはもちろん、怖いと思っている人のイメージを変えたい、そして「猫はこういうもの」と一括りにせず、「いろんな性格の子がいるんだよ」ということを伝えたい。そういう気持ちで配信を続けています。

また、「うちの子を迎えて本当に良かった」「2匹目も絶対同じところから迎えたい」と言ってくださる飼い主さんからの連絡は、私にとって最高の喜びです。ブリーダーとして一匹一匹を責任もって育て、譲ったあともずっと見守り続けられる体制をとることで、猫ちゃんも飼い主さんも幸せになってほしいと願っています。

命のバトンタッチをする

私が常に意識しているのは、命のバトンタッチをきちんと行うこと」 です。具体的には、猫ちゃんをお迎えいただく前に飼い主様と対面でお話をし、

「子猫たちをどうかよろしくお願いします」

という挨拶をきちんと交わしたうえで、お父さん猫・お母さん猫の性格や、子猫の小さいころの成長過程、生活スタイルなどを詳しくお伝えしています。

ペットショップなどから「おろしてほしい」と依頼をいただくこともあるのですが、私は一切お断りしています。それは、猫ちゃんの一生を共に過ごすご家族へ直接「命のバトンタッチ」をしっかり行いたいからです。そのため、お迎えを検討しているご家族には、全員の意思が「この子を大切に育てたい」という思いで一致していることを確認させていただいています。

また、譲渡後も安心して暮らしていただけるように、LINEなどでのアフターフォローを行っています。飼い主様の中には「わからないことが出てきたら、すぐに相談したい」という方も多いので、いつでも連絡ができる環境を整えておくのは私のこだわりです。

猫ちゃんはかけがえのない家族です。その子の生い立ちを知り、その子を迎える意味を深く考えていただくことで、より長く幸せに暮らせると信じています。ブリーダーとして、そして猫ちゃんたちの“親”として、これからも一組一組の家族との出会いを大切にし、命と向き合いながら活動を続けていきます。

最後に

  • ひいちゃんとの出会いが猫との生活のはじまり
  • 「いなくなったらどうしよう」という不安がブリーダーへの道へと導いた
  • 過去の失敗や後悔から学んだ知識をもとに、猫の命を大切に守っていきたい
  • 情報発信を通じて正しいケアを伝え、飼い主さんとの繋がりを育みたい
  • 猫に対する理解を深め、「猫ってこんなに懐くんだ」「こんなに多様な性格があるんだ」と感じてもらうことで、多くの人に猫を好きになってもらいたい

このような想いが私のブリーダーとしての理念です。猫を譲った後もずっと飼い主さんと繋がり、楽しく、そして安心して猫ちゃんとの暮らしを送っていただけるよう、一緒に育てていく――その気持ちを大切に、これからも発信し続けていきます。それではここまでお読みいただきありがとうございました。私は愛情を持って、育てている子猫が気になる人はぜひご覧になってみてください。

子猫の見学希望の方は以下からご予約可能です。

それでは引き続きよろしくお願いします。